プライオメトリクスを実施する前に姿勢と着地動作をチェックしてください.特に初心者や不慣れな選手は入念に行ってください.
姿勢のチェック
スプリントやジャンプをする際,選手は地面を蹴って地面から力をもらい,前方に進んだり,上方に跳んだりします.この時,正しい姿勢でなければ,地面からの反発を効率的に受け取ることができません.爆発的パワーを発揮するには姿勢が大事です.
このことは陸上短距離選手を見てみれば一目瞭然です.陸上短距離選手で姿勢の悪い選手はほとんどいません.サッカー選手も正しい姿勢を意識しましょう.最近は日常生活においてパソコンやスマートフォンの使用が多くなり,猫背などの不適切な姿勢になりやすいため,普段の姿勢から気を付けることが大事です.正しい姿勢は不適切な筋活動を抑えるなど,傷害予防に繋がります.プライオメトリクス実施時にはこまめに姿勢をチェックしてください.
正しい姿勢は身体を横から見た場合,上から耳垂,肩峰,大転子,膝関節前部(膝蓋骨後面),外果の数センチ前が一直線であることをチェックしましょう(下写真).正面から見た場合は,顔が真っすぐになっているか,両肩の高さが同じか(あるいは背骨を触り,真っすぐであるか),骨盤が傾いていないか(骨盤の骨である腸骨の上部の腸骨稜の高さが同じか)を確認するとよいでしょう.左右のアンバランスは少ないほうがよいと言えます.
2.着地動作のチェック
ジャンプトレーニングでは正しい着地のテクニックが必要になります.
【横】
股関節,膝関節,足関節を適度に曲げて,つま先,膝,肩ができるだけ一直線になるように着地しましょう(下写真).
【正面】
つま先と膝の向きが同じになるように着地してください(下写真).
【正面(不適切な着地)】
特に女性は膝が内側に入りやすくなりますので(ニーイントゥアウト)(下写真),注意してください.不適切な着地をしている場合は正しいフォームでの着地練習や筋力トレーニング(スクワットやランジ)を実施し,ニーイントゥアウトを修正してください.
文責:松田